大判例

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東京高等裁判所 昭和56年(ラ)646号 決定

抗告人は、まず、民事執行法附則第二条による廃止前の競売法による競売における不動産引渡命令の相手方には債務者も含まれ、債務者が賃借権を有していてもこれをもって競落人に対抗することはできないと解すべきであると主張する。しかし、右競売法による競売において、所有者と債務者とが異なる場合に、競落人に対して売主に比すべき立場に立つのは所有者であって債務者ではなく、また、本来ならば抵当権者ひいて競落人に対抗することのできる賃借権が、たまたまその権利者が債務者であるというだけで、当然に対抗しえないものとなると解しなければならないものとも考えられないから、競落不動産について対抗要件を具備した賃借権を有する債務者を相手方として不動産引渡命令を発することは許されないものと解するのが相当であって、抗告人の右主張は採用することができない。

(小林 平田 河本)

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